導入事例

「全社員研修は不要」と判断し、推進担当2名の育成から始めた製造業の90日間<導入事例:製造業・従業員320名>

従業員320名の製造業A社は、当初「全社員向けのAI研修」を検討していた。診断の結果、私たちがご案内したのは、まったく別の進め方だった。

データを分析する様子
※イメージ写真です

企業プロフィール

製造業A社(従業員320名)

業種
製造
所在地
関東
受講人数
2名(AI推進担当)

――まず、AI研修を検討し始めたきっかけを教えてください。

経営会議でAI活用が議題に上がったのがきっかけです。正直に言えば「他社もやっているから」という以上の理由はありませんでした。予算だけ先に300万円と決まり、全社員向けの研修を探し始めた、という状態です。

――診断結果は「全社員研修は延期したほうがよい」というものでした。受け止めはいかがでしたか。

最初は驚きました。研修を勧められると思っていましたので。ただ、社内ルールがなく、社員の生成AI利用率も1割未満だと指摘されて、確かに研修をしても使う場所がないと納得しました。

――推進担当2名の育成から始めた理由を教えてください。

費用が全社員研修の1割以下で、仮に失敗しても取り返しがつくと考えました。2名とも、現場の業務を細かく知っている社員を選んでいます。AIに詳しいかどうかは選定条件にしていません。

――研修の中で、最も効果があったのはどの回でしたか。

第1回の業務棚卸しです。AI化の候補が23件出て、そこから3件に絞り込みました。この作業を外部の講師と一緒にやったことで、社内だけでは出てこなかった観点が入りました。

――社内AI利用規程の作成はいかがでしたか。

実際の帳票を見ながら線を引いたのが良かったです。「機密情報は入力しない」とだけ書いても、現場は判断できません。どの帳票のどの項目がだめなのか、というところまで決めました。

――90日後の成果を教えてください。

日報の集計、取引先への定型メール、作業手順書の改訂の3件で、月あたり約90時間の削減です。金額よりも、社内に「実際に効果が出た例」が3つできたことが大きいと感じています。

――その後、全社員向けの研修も実施されたそうですね。

はい。今度は社内に実例とルールがある状態でのスタートでした。半日の研修ですが、受講者の反応は、最初に想定していたものとまったく違いました。

――これから検討する企業へ、アドバイスがあれば。

最初に全社員研修をやっていたら、たぶん何も残らなかったと思います。順番を変えるだけで、同じ予算でも結果は変わります。まずは自社の現在地を確認することをおすすめします。